両 国

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大坂秩加|つぎはぎのうろこ

2022年1月15日(土) - 2月12日(土)

※オープニングレセプションは開催致しません。​

営業時間 :火曜日 – 土曜日  11am – 7pm   日曜・月曜・祝日休み

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ギャラリーでは定期的な換気、清掃を行い、スタッフの健康管理、うがい手洗い消毒、マスクの着用の徹底をいたします。

 GALLERY MoMo Ryogokuでは1月15日(土)から2月12日(土)まで大坂秩加による個展「つぎはぎのうろこ」を開催致します。

 大坂秩加は1984年東京生まれ、東京藝術大学で油画を専攻後、2011年に美術研究科修士課程版画専攻修了。2010年シェル美術賞展で審査委員賞を受賞、2014年にはVOCA展で佳作賞を受賞、市原湖畔美術館で開催した「プリントって何?―境界を超えて―」や、2016年に京都で開催された京都版画トリエナーレにも参加しました。また、当ギャラリーでは2011年より個展を開催、2015年にドイツのMICHEKO GALLERY、2019年にはスイスのMuseum Franz Gertsch、2021年には台湾のELSA GALLERYで個展を開催し、活躍の場を広げています。

 高度な版画技術を持ちながらもその技法にこだわらず、版画、水彩、油彩と作品を展開し、コミカルで親近感のある人物を描きつつ、着衣や日常品の文様には日本の古い様式から転写され、どの技法からも現代的な浮世絵というイメージを想起させます。 初期より大坂は、学生時代に関わった舞台美術から制作への着想を得、作品に自身で作った小説の一節とも誰かの日記の一部とも言えるような、様々な女性の日常を描いた短い文章と合わせて作品を発表してきました。個展を重ね、モチーフとしている台詞は戯曲、描く人物は役者、テーマに合わせたインスタレーションは舞台セットといったように展開させ、展覧会を通して群像劇を作り上げ、虚構の中のリアルを表現しようとしてきました。ユーモアとアイロニーが混じり合うそのテキストは、フィクションでありながら、作家と同世代の多くの女性に強く響き、共感を得てきました。

 これまでの個展では、1つのテキストに対し平面作品1点を制作し、その2つをどのようにつなげ見せるか、また音やインスタレーションを交えながら空間全体をどのように作り上がるかということを追求してきましたが、本展は大作1点のみを展示し、その中にある様々な物語のテキストを展示する予定です。過去に書いたテキストを、演劇における演出家のように、現在の大坂が再解釈をして新しく描いた一コマもあれば、以前描いた作品のモチーフが違うテキストから作りあげられる一コマもあり、過去から現在に至るまで大坂自身の変化はもちろん、観る側の私たち自身にも、作品やテキストに対して変化を感じさせてくれる作品となっています。

 複数のテキストによって1つの作品が構成されることで、魚の鱗のようにその一枚にも美しさと個性を持ちつつ、鱗の重りを全体として見る時、さらにその美しさと輝きを増して違うもののように見えることがあるように、この作品も大坂のこれまでの集大成として新たな輝きを増すことでしょう。大きな画面の中に詰まった大坂らしい世界観をご高覧いただければ幸いです。

 

 

アーティストコメント

 

人生は一見無関係に見えるエピソードのつぎはぎのように感じます。

どのようなものであっても、断片と断片とのつながりによって新たな意味を持ったり、全体が見えたりするものです。

それは、人とのつながりが断絶されてしまったコロナ渦で、関係を持たないそれぞれの生活がこの時代の流れをつくっているのとも似ているように感じます。私は今回のこれまでに経験したことのない時間を過ごす中で、いくつもの無関係に見えるエピソード をつぎはぎにした「集」としての人々の営みが垣間見れるものを描きたいと強く思うようになりました。

 

私はこれまで、戯曲のセリフのような言葉をモチーフに絵画作品を制作してきました。

独立したひとつのモノとして言葉をテキストとして起こし、それと対になるように絵画作品を発表するというものです。そのテキストと絵画の関係性は、戯曲と舞台の関係と同じです。

これまで作品を販売するにあたって、テキストだけは販売をせずに手元に残してきました。 それは、テキストを戯曲とするならば、またそれをモチーフとして別の舞台(絵画作品)の再演(制作)が可能だと考えていたからです。ひとつのテキストから絵画作品をつくった数年後または数十年後、同じテキストを用いて新しい解釈で作品を描くという奇妙さに、私自身とても興味があったのです。

この作品では過去のテキストを用いて、いま現在の私の解釈で新たにシーンを描き起こしている部分があります。それは必ずしもプラスに更新されているとは限らず、以前の解釈の方が面白い場合や過去作の反復と思われるものもあるかもしれません。しかし、それでも確実にテキストと作品の間には数年の時間の流れがあり、少なからず作者である私の解釈の違いが含まれています。

 

断片のエピソードとその集積を描いたつぎはぎの大作を、どうぞごゆっくりご覧ください。

 

2021 年 大坂 秩加

[略年譜]    
1984    東京都生まれ
2009    東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業
2011    東京芸術大学美術研究科修士課程版画専攻修了
   
[主な個展]    
2010    「シリアスとまぬけ」シロタ画廊(東京)
2011    「良くいえば健気」GALLERY MoMo Ryogoku (東京)
2013    「Sの外的要素たち」GALLERY MoMo Ryogoku (東京)
2015    「おおさかるた」GALLERY MoMo Ryogoku (東京)
        「ラブレター」MICHEKO GALERIE(ミュンヘン)
2016    「短冊にぎりしめて、雨」GALLERY MoMo Projects (東京)
2018    「ささやかな今日のおわり」 GALLERY MoMo Ryogoku (東京)
           「版画展」 GALLERY MoMo Projects (東京)
           「大坂秩加展」 アートゾーン神楽岡 (京都)
2019    「Love Letter」 Franz Gertsch美術館 (ブルクドルフ / スイス)
2020    「背中のチャックお願い」 ELSA GALLERY  (台北)
   
[主なグループ展]    
2009    「日本版画協会 第77回版画展」東京都美術館(東京)
           「第34回全国大学版画展 」町田市立国際版画美術館 (東京)
2010    「シェル美術賞展2010」 代官山 ヒルサイドフォーラム (東京)
2012    「版の時間/Age of Prints 展」 女子美術大学アートミュージアム(東京)
           「シェル美術賞展 アーティストセレクション2012(SAS)」国立新美術館(東京)
2013    「KIZUNA」MICHEKO GALERIE (ドイツ ミュンヘン)
2014    「interaction vol.2」 GALLERY MoMo Ryogoku (東京)
           「三人展」東京都立総合芸術高等学校(東京) 
           「VOCA展2014」上野の森美術館(東京)
           「プリントって何?―境界を超えて―」市原湖畔美術館(千葉)
2016    「第2回 PATinKyoto 京都版画トリエンナーレ 2016」京都市美術館(京都)
           「第二回上海半島美術館日本版画招待展 2016」上海半島美術館(中国)
           「第8回杭州詩意家居版画展」上海半島美術館(中国)
2018    「リトグラフ 石のまわりで Lithography:Around the Stone」武蔵野美術大学美術館(東京)
2019    「できるだけ感情のないように(あるけど)」アキバタマビ(東京)
   
[受賞歴]    
2009    東京藝術大学卒業制作展 サロン・ド・プランタン賞 / O氏記念賞
           日本版画協会 第77回版画展 立山賞
           第34回全国大学版画展 買上賞
           俵賞展 俵賞
2010    シェル美術賞展2010 島敦彦審査委員賞
2013    第4回アダチUKIYOE大賞 大賞
2014    VOCA展2014 佳作賞
2019  「London Original Print Fair」Jerwood Printmaking Today Prize
2020  「One Art Taipei 2020」One Art Award
   
   
[パブリックコレクション]    
町田市立国際版画美術館(東京)    
浙江美術館(中国)    
上海半島美術館(中国)