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開催中の展覧会

両 国

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村田 朋泰|tsubu(m)ru   
2026年6月20日(土) - 7月25日(土)
オープニングレセプション:6月20日 17:00〜19:00

営業時間 :火曜日 – 土曜日  11am – 7pm
日曜・月曜・祝日休み

展示風景

GALLERY MoMo Ryogokuでは、2026年6月20日(土)から7月25日(土)まで、村田朋泰の個展「tsubu(m)ru」を開催いたします。

 

村田朋泰は、日本の伝統芸能「文楽」から深いインスピレーションを得てきました。三味線が奏でる心理描写、そして人形遣いの微細な仕草によって人形に命が宿る文楽の精神を、村田はコマ撮りのパペットアニメーションにおける「目の動き」と「音楽」へと翻訳し、登場人物たちの繊細な感情を紡ぎ続けています。

初期より「陰陽」「現世と黄泉」「一卵性双生児」など、二つの存在が一つに溶け合うモチーフを扱ってきた村田は、人形を単なる道具ではなく「Second Bodies(もう一人の自分)」として捉えてきました。創作を通じ、未知の自己像や感情と出会うプロセスそのものが、彼の表現の核となっています。

 

本展では、アニメーション作品で実際に使用された人形を中心に展示し、1コマごとに差し替えられる膨大な「目」にフォーカスした構成で展示いたします。 素材への直接的な接触と、気の遠くなるような造形行為の積み重ね、それらを媒介として、「自分と他者」「身体と心」「二重性」といった人間の根源的なテーマに焦点を当てます。セリフを排した村田のパペットアニメーションにおいて、意識的に制御された「目の動き」が、いかにして深い感情表現へと昇華されるのか、その舞台裏にある思考の断片を可視化します。

 

タイトルの「tsubu(m)ru」は、日本語の「瞑る(つぶる)」であり、古語の「潰る(つぶる)」に由来します。 この言葉には「ものの角を取って丸くする」「形をなくす」という身体感覚が内包されています。 「見る」ことに偏重し、視覚情報の海を泳ぎ続ける現代社会において、常に何かを見続けることを強いられる日常に対し、本展は「目を瞑(つぶ)る」という行為の回復を提案します。

瞳を閉じ、視線の角を落として「丸く」なること。 「閉じる」「沈む」「休む」といった、世界を静かに受け止めるための感性を取り戻すこと。 造形・映像・空間を横断する村田の作品を通じて、観る者の心身に静かな気づきが訪れることでしょう。村田が提示する、内省的な「瞑目」の時間をぜひご高覧ください。

​アーティストコメント

目を瞑ると、外の光がほどけ、

内側に、別の時間が立ち上がる。

人形を撮影する場も、それに似ている。

光を遮り、限られた照明の中で向き合っていると、

時間の進み方が、少しずつ変わっていく。

そのなかで、顔の向きをわずかに整え、

視線の位置をほんの少しだけ動かしていく。

その小さな差異を確かめるうちに、

見えているはずのものの奥に、

まだ形にならない気配が浮かび上がってくる。

作り物であるはずの人形に、

不気味さや温かさ、意志や感情のようなものが、宿る瞬間がある。

それは、いつも「目」からはじまる。

目を瞑るとき、私たちは見えないものに触れようとする。

動かないものの中に流れを感じ取り、

わずかな変化を手がかりに、

欠けている時間や感情を内側で補っていく。

その感覚は、目を瞑ったときに立ち上がる世界と、

どこかでつながっているように感じられる。

 

2026 年 村田朋泰

​プロフィール

1974年東京都生まれ。2002年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。同年、有限会社TOMOYASU MURATA COMPANYを設立。

卒業制作作品「『睡蓮の人』が第5回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞。続く修了制作『朱の路』では大学買い上げ賞(首席)を受賞し、第9回広島国際アニメーションフェスティバルで優秀賞に輝くなど、早くから国内外で高い評価を得てきました。

2002年にはMr.Childrenの楽曲「HERO」のMVを手掛け、大きな注目を集めました。2006 年には目黒区美術館で、2008 年には平塚市美術館で個展を開催。2010年からNHKコマ撮りアニメ番組プチプチ・アニメにて「森のレシオ」を制作し、幅広い層から支持されるアニメーション作家として活躍しています。

近年では、2011年より東日本大震災をテーマとしたシリーズの制作を開始。2015年に同シリーズの第一部『翁舞/木ノ花ノ咲クヤ森』を発表、シュトゥットガルト国際アニメーション映画祭へ入選しました。2018年に開催されたアヌシー国際アニメーション映画祭に映像作品と共に、インスタレーション作品も出展し好評を得ました。2019年にはニューヨークのジャパン・ソサエティーにて特集上映が開催されるなど、世界各国で作品が紹介されています。さらに、2024年からは、これまでの沈黙の表現から一転し、全編にセリフを導入した長編アニメーションのNHK番組『ルカと太陽の花』を制作し、作家としての新たな境地を切り拓いています。

アニメーションの枠を超えた現代美術の文脈においても、確固たる存在感を示しています。

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