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両 国



日々 / 早川克己 小品展
2023年9月2日(土) - 10月7日(土)
GALLERY MoMo Ryogokuでは、9月2日(土)から10月月7日(土)まで、「日々 / 早川克己 小品展」を開催いたします。
早川克己は1970年栃木県生まれ、92年日本大学芸術学部美術学科卒業後アメリカに渡り、 98年にSchool of Visual Arts New Yorkにて修士号(MFA)を取得、その後ニューヨークで制作発表を続け、2008年に帰国。拠点を東京へと移し、同年から当ギャラリーでの個展を中心に、アメリカ、ドイツ、オランダ、スペイン、台湾など世界的なスケールで作品を発表しています。作品は、マラガ現代美術館、米国小売大手ターゲット、Louis Vuittonコレクションに収蔵されています。
早川克己は初期作品では、絵の具を重ねた色層を電動ドリルで削り出す手法を用いた作品制作を手がけてきました。
色と面、線の構成という、絵画におけるモダニズム的観点をふまえ、都市の俯瞰イメージと電子回路のイメージの重ね合わせ、類似性を探り、ミクロとマクロがダイナミックに交錯する表現の探求に取り組んで参りました。
そして2010年からは、紙を使った半立体的な作品の制作を開始しました。このシリーズでは絵画作品で取り組んできた主題をより発展させ、俯瞰的かつミクロな視点が融合したダブルイメージがよりクリアになりました。さらに作品と鑑賞者の関係性、身体性と記憶など、テーマの射程を広げ、作品制作を展開しています。
本展では、日々去来するイメージをとらえた平面作品を中心に展示を構成しています。新作の絵画作品では、極小の作為によって、イメージを画面に定着させることに注力しました。色材のにじみ、水の流れ、顔料の沈澱など、意図せず画面に生起する現象を捉え、固着させること、それは作者の内的形象というよりも、外的なコンタクト、外部とのコミュニケーションであると早川は言います。
一方、今回もスモールスケールの紙の作品を数点展示しています。都市的でシステマティックな直線的な作品と、アンビエントで静謐な絵画作品の混淆によって、それはあたかもこの世界のありようそのものを表現しようとしているようです。
早川克己の新作、そして新たな展開を、ぜひご高覧いただけたら幸いです。
アーティストコメント
日々移りゆく時間の中で去来する想念、感覚、あるいは何か。
なにか?
認識する現在は常に過去で、流れ、滲むマテリアルは時間を刻み未来と過去をつなぐ。
空間は距離をうみ、視覚はその距離によってものを知覚する。静まり返った湖面に着水する一羽の水鳥、現れる水紋、Canal Streetの地下鉄駅で明滅する蛍光灯、放たれる微細音、超新星爆発、パンのカビ、加熱した回路、冷却ファンのノイズ、マグマの流れ、響き渡るサイレン、欠ける月、満ちる海、フレームの煌めき、空を区切る電線、錆びた車輪、触媒としての自己、見えているものと認識とのズレ。そしてその裂け目からナニカがやってくる。
2023年 早川克己
1970 栃木県生まれ
1992 日本大学芸術学部美術学科版画専攻卒業
1998 School of Visual Arts, New York 修士号取得
[個 展]
2021 GALLERY MoMo Ryogoku(東京)
2020 Micheko Galerie(ミュンヘン)
2019 McClain Gallery (ヒューストン)
GALLERY MoMo Projects(東京)
2018 Micheko Galerie(ミュンヘン)
Dillon + Lee (ニューヨーク)
Lesley University College of Art and Design(マサチューセッツ、アメリカ)
2016 GALLERY MoMo Ryogoku(東京)
Nou Gallery(台北)
2015 McClain Gallery (ヒューストン)
2014 GALLERY MoMo Ryogoku(東京)
2013 Nou Gallery(台北)
Galería Yusto/Giner (マルベーリャ、スペイン)
2012 GALLERY MoMo Roppongi(東京)
2011 Micheko Galerie(ミュンヘン)
Nou Gallery(台北)
2010 GALLERY MoMo Roppongi(東京)
2009 GALLERY MoMo Ryogoku(東京)
2008 McClain Gallery (ヒューストン)
GarsonBaker Fine Art (ニューヨーク)
2004 McClain Gallery(ヒューストン)
2000 Daniel Silverstain Gallery(ニューヨーク)
McClain Gallery(ヒューストン)
1999 Daniel Silverstein Gallery (ニューヨーク)
[主なグループ展]
2012 「International Paper Biennial Rijswijk 2012」 Rijswijk Museum (レイスウェイク、オランダ)
「New Year Show, Nou Gallery」Nou Gallery(台北)
「Golden Time」McClain Gallery(ヒューストン)
2011 「VERY FUN PARK 2011 in TAIPEI」台北市(台湾)
「Art For Japan」McClain Gallery(ヒューストン)
「再生‐regenerate-」GALLERY MoMo Ryogoku(東京)
2010 「Art Tea Exhibition」Nou Gallery(台北)
「Taipei Biennale」台北市立美術館 (台湾)
2009 「Winter show」GarsonBaker Fine Art (ニューヨーク)
「2nd art-icle Award 2009」DESIGN FEST GALLERY (EAST)(東京)
「板室温泉大黒屋 第4回公募展」板室温泉大黒屋(栃木)
「 Summer Group Show Hop Step Jump」GALLERY MoMo Roppongi (東京)
2008 「Art Chicago」McClain Gallery(ヒューストン)
「Opening Exhibition」GALLERY MoMo Ryogoku(東京)
2007 「SUPER PHAT」Visual Arts Gallery(ニューヨーク)
「TEASE」Garson Fine Art(ニューヨーク)
「Summer Group Show」Winston Wacther Fine Art(シアトル)
「The 12th Annual Los Angeles Art Show」Represented by M% Gallery
2005 「Tokyo Wonder Seed」東京ワンダーサイト渋谷(東京)
「ART 212, 69th Regiment Armory, New York, NY」Represented by M% Gallery
その他多数
[スカラシップ・受賞]
2014 The 2014-15 Sovereign Asian Art Prize Finalists (香港)
2006 野村国際部文化財団助成
2005 第20回 ホルベインスカラシップ
1997 INTERNATIONAL ENCAUSTIC WORKS '97 (ニューヨーク)
Recognition of the Outstanding Work, School of Visual Arts MFA Faculty Scholarship (ニューヨーク)
[コレクション]
マラガ現代美術館
ルイ・ヴィトンコレクション
ドバイ・アメリカ大使館
ロイヤルバンク・オブ・スコットランド
ターゲット・コーポレーション