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Edition
大坂 秩加
作品とテキストの関係について
私は戯曲の台詞のような 葉をモチーフに、版画、油彩、水彩など技法にこだわらず制作しています。
近年では、テキストとして、モチーフである 葉も発表していますが、それは、 キャプションのように活字を作品横に配置するものではなく、あくまでも独立した ひとつのモノとして形に起こしています。
まず、その言葉を発した架空の人物のイメージに合った筆で、言葉を紙に書き出します。それをあえて版に移し、ノートなどその人物が使用していそうな媒体に刷り直し、テキストとして独立させます。
このとき版画を使用するのは、間接性という理由からです。直接媒体に書き込むのとは異なり、版画は筆記と 出来上がりの間に版を介します。例え日常を描いた舞台であっても、それが演劇になった時点で非現実となるように、その間接性はリアルからフィクションへと変化します。モチーフとした言葉は、あくまでも私がつくった架空の内容であるため、手書きが生み出す生々しいリアリティを抑えるのに、版を介する必要がありました。
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