Tomoki Furuhata

 

Automatic works

February 20 (Sat), - March 20 (Sat), 2021​

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 私は見えないものや、隠されたものを表現してきた。 “Automatic” シリーズは何年もかけて製作した装置を用いた作品だ。この装置を製作するにあたり、今まで関わることのなかった様々な分野(主に工業分野)の勉強やフィールドワークを行なった。それは何が私の生活を形作っているのかを理解したかったからである。例えば、コンピュータは仕組みを理解しなくても使える。しかし仕組みは見ようとしなければ見えない。

 このシリーズはCNCと呼ばれる装置によって自動的に描いている。(自動的と言っても、何年も試作や実験に費やし、描画する時でさえ絵具やキャンバスの調整に時間がかかる)CNCとはコンピュータ数値制御という意味である。コンピュータで作ったデータを専用ソフトで装置に送り、装置はその情報をもとにモーターを制御し2次元や3次元的な造形を行う。この装置ではシリンダ内に絵具を充填し空気圧によって吐出する装置を取付けている。この作品では絵具を細いノズルから吐出し、積層している。直線的で均一な線と積層する時の繰返し性の高さを手だけで再現するのは難しいだろう。この作品の厚みをもった線は、作品が物質であることを延長している。線はキャンバスに影を落とすし、正面だけでなく斜めなどから見ることも重要だ。絵具の物理的な現象が作品の要素として空間を構成している。また、あらゆる生活空間が工業製品で構成されているという意味では、場所と調和する形で存在しているようにも思える。

 全ての作られたものが、多くの人の手と膨大な時間をかけてつくられている。私たちはそのような物の中で生活している。“Automatic” シリーズでは、このように身近でありながら見えないものや、隠されたものを表現しようとしている。

2020年 古畑智気