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開催中の展覧会

六本木|プロジェクツ

行きて帰らず.JPG

佐藤 栄輔|Flow
2023年12月2日(土) -  2024年1月20日(土)
冬期休業:2023年12月24日(日) - 2024年1月8日(月・祝)
ープニングレセプション:12月2日(土) 17:00 - 19:00

List of Works
展示風景

12:00 - 19:00 日曜・月曜・祝日休み

 GALLERY MoMo Projects(六本木)では、12月2日(土)から2024年1月20日(土)まで佐藤栄輔の10年ぶりとなる個展「Flow」を開催致します。
 佐藤栄輔は1973年大分県生まれ。2001年American University大学院修士課程終了後2002年「GEISAI4」にて村上隆氏に見出されリキテックス賞を受賞し、当ギャラリーもその特異な表現に着目して数点の作品をコレクション、その翌年には六本木ヒルズ森アーツセンター内ギャラリーに於ける「ARTIST BY ARTIST」にて紹介されました。
 当ギャラリーでは2004年以降継続して取り上げて発表を続け、高橋龍太郎コレクションなどにも代表作が収蔵されています。現在天領水で知られる大分県日田市で家業の林業を引き継いで生計を立てつつ制作を継続しています。
 そうした環境の中で水と樹木と自分自身の存在の在りようは分かちがたく表現の根幹をなし、物心ついた日々から50年を生きた今に至る年月を、伐採した樹木の年輪に重ね合わせ、自身の存在理由を問いかけ、制限された日々の時間を削りながらその状態を受け入れ、それを糧とした生と死をテーマにした表現は、普遍性を持って鑑賞者に迫って来るでしょう。
 今展では、年齢的に中間点に立ち残された時間を想い、感じざるを得ない身体的な老化という変化と現実的な理不尽さの中で流れ行く水のように過ぎ去る時間への恐怖と揺らぎに捉われながら、実存的な苦悩を背負う人物などを描いた作品を展示する予定です。
 佐藤は、この恐怖感を歪んだ、形の定まらない人物像を通じて表現していますが、この表現は恐怖感を他者に伝えようというものではなく、むしろその歪みや崩れた表現に美しさを見出していると述べています。西洋的な遠近法を排除し、面や線のレイヤーを重ね、キャンバスと同様の平面を重ねることで、奥行きを曖昧にすることで、特定されない流動的な時間を描こうとしています。最新作約20点をご高覧
いただければ幸いです。

 

 

​アーティストコメント

生まれて50年が過ぎた。意識のありように変化は感じないが、その乗り物である身体は日々変化(劣化)している。視力は衰え、皮膚のしわは増え、頭髪は薄くなり、身体は思うように動かず、しかも痛みが伴う。抗えない時間の流れの中に自分はいて、長く見積もっても後50年程で乗り物である身体は完全に機能しなくなり、意識もそれと同時に消えるのだ。

朝起きて直ぐの時間帯は、意識と身体が乖離している感覚が強く、この意識が将来確実に消えてしまうことが信じがたくも、しかしその時は必ずやってくるという事実がリアルに迫ってきて、どうしようもない恐怖感に襲われる。なんとか別の乗り物に乗り換えられないものか。。。気づいたらここに居ただけなのに、こんな理不尽なことがあるか、と思う。

普段、自分は木を扱う仕事をしている。丸太の断面に見える年輪は地球が太陽の廻りを一周するごとに一つの円線として現れる。春と秋の期間で幹の成長度合いが異なるために、365日のタイムスパンが一つの円となり刻まれるのだが、このような定まった一定時間が視覚認識できる形状として表れているものを自分は他に知らない。そしてそれは美しい。

自分が描きたいのは自身を流れていく時間の流れだ。そしてそこには流れの終わりにある意識の喪失に対しての強い恐怖感が同時に存在する。死は立場や環境に関わらず、平等に訪れる。この普遍的な事象を美しく、出来れば木の年輪の様に描きたい。

 

2023年 佐藤栄輔

 

1973    大分県生まれ
2001    American Univerisity 大学院修士課程修了(ワシントンDC,USA) 
   
   
[個 展]    
2001    Fulcrum Gallery(ワシントンDC,USA)
2002    Apolo Space GALALA(福岡)
2004    GALLERY MoMo(東京)
2005    GALLERY MoMo(東京)
2006    GALLERY MoMo(東京)
2008    GALLERY MoMo(東京)
2013    GALLERY MoMo Ryogoku(東京)
2023    GALLERY MoMo Projects(東京)
   
[グループ展]    
2001    「Passages」 Studio 7 Warehouse Gallery(ワシントンDC,USA)
           「MFA Thesis Exhibition」 Watkins Gallery(ワシントンDC,USA)
           「Through Looking Glass」 Studio 7 Warehouse Gallery(ワシントンDC,USA)
           「Still Life with Self」57 N Fine Art(ワシントンDC,USA) 
2003    「GEISAI 4」東京ビックサイト(東京)
           「 ARTISTS BY ARTISTS」六本木ヒルズ森アーツセンター内ギャラリー1(東京)
           「第13回ARTBOX大賞展」DIC COLOR SQUARE(東京)
2004    「 第13回 ARTBOX 大賞展受賞記念展」ARTBOX Gallery(東京)
           「 第2回 日本アートアカデミー大賞」札幌,名古屋,東京,大阪,福岡に巡回
           「What's the Story -Narrative Art from Watkins collection-」 Watkins Gallery,American University(ワシントンDC,USA)
           「第14回 青木繁記念大賞公募展」 3月 福岡・久留米展/石橋美術館、6月 福島・郡山展/郡山市立美術館
2005    「第6回 Spiral Indepenndent Creaters Festival」 青山スパイラル(東京)
2006    「Acryl Award 2005」新宿パークタワー ギャラリー(東京)
2007    「第11回リキテックスビエンナーレ」青山スパイラル(東京)
2008    「Opening Exhibition」 GALLERY MoMo Ryogoku (東京)
2009    「101TOKYO Contemporary Art Fair」秋葉原UDXビル(東京)
           「 Summer Group Show Hop Step Jump」GALLERY MoMo Roppongi (東京)
2010    「Visage vol.2」GALLERY MoMo Ryogoku(東京)
2011    「再生」GALLERY MoMo Ryogoku(東京)
2014    「2 + 2 After Birth」GALLERY MoMo Projects(東京)
2020    「再考」GALLERY MoMo Ryogoku(東京)
   
[受 賞]    
2001    「GEISAI 4」リキテックス賞
2003    「第13回 ARTBOX 大賞展受賞記念展」月刊ギャラリー賞受賞
   
   
[パブリック・コレクション]    
American University Watkins Gallery(ワシントンDC,USA) 
Takahashi Ryutaro Collection

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