両 国
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GALLERY MoMo Ryogoku では9月18日( 土) から10月16日( 土) までチョン・ダウンによる個展「ヴィンセント ヴィンセント ヴィンセント!」を開催致します。
チョン・ダウンは1989年韓国生まれ、2015年武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画専攻を卒業後、2017年から18年に掛けベルリン芸術大学に協定留学した後、同年武蔵野美術大学大学院版画専攻修士課程を修了、現在同大学院博士課程在籍に在籍しています。 2016年に第10回大野城まどかぴあ版画ビエンナーレで池田満寿夫賞を受賞し、シェル美術賞2016や、Face 2017損保ジャパン日本興亜美術賞にも入選しました。昨年には、芥川龍之介の「羅生門」をテーマにギャラリーマルヒにて個展を開催。今年は、韓国 Gallery WOONG、またギャラリーなつかで個展を重ね、当ギャラリーで2回目となる本展は、ギャラリーマルヒとの同時開催となります。
チョンは「妄想」を出発点にモチーフを展開し、モノクロームの銅版画という手法を得て、その「妄想」を「現実」とつなげるツールとして用いています。描かれる日常と非日常は、同時に夢であり、現代の不安や孤独、そして希望の入り混じった世界を表現しており、 それゆえ作品で描かれる場面は、現実の場面にシュールな世界が組み込まれて独特な世界観を醸し出しています。
絵画のようにダイレクトにキャンバスに絵具を置くような手法ではなく、「絵を描く、刻む、刷る」というプロセスを経て制作する版画のある種の不自由さは、チョンに制作との距離を持たせます。繰り返し同じ工程を踏むことでできる、作品とのこの距離感がチョン自身の複雑な内面世界を可視化するのに重要な要素となっています。こうした銅版画だから生み出せるイメージは鑑賞者にどのような効果をもたらすかを追求するとともに、現代における版画の意義を見出そうと制作に取り組んでいます。
本展では、そうしたダウンの試みを誰もが知っていて、自身の制作の身近にもあるアーティスト、ゴッホを借用し、版画の大量印刷可能な大衆性と、その機能を排除し1点物であることに高い価値を置くアートの境界線を模索しながら、チョンの不思議な世界が展開します。「自分自身から離れて客観的に見るためにヴィンセントを要請します」というように、制作でとる距離とは別に、イメージ自体も自身から距離をとることで新しいイメージを生み出そうとしています。
残暑も終わり美術の秋真っ只中、周辺の美術館とあわせてご高覧いただければ幸いです。
同時開催
根津のギャラリーマルヒでも個展を開催いたします。ぜひ両会場ご高覧ください。
展覧会名: チョン・ダウン銅版画展「吾輩ハ猫デアル」
会 期: 2021年10月2日(土)- 10月14日(木)
営業時間: 12 : 00 - 19 : 00 最終日:12:00 - 17:00 休廊日:10月4日(月)・ 10月11日(月)
会 場: ギャラリー・マルヒ 〒113-0031 東京都文京区根津2-33-1
Web https://konoike.org/maruhi/index.html
アーティストコメント
あるレストランだった。私はゴッホについて話したことがある。
いろんな国籍の人々と集まって一緒に食事した時だった。だれかが私にどんな画家が好きかと尋ねた。私はゴッホと答えた。
皆、私の発音が聞き取れなかったのか、そのうちの一人がもう一度尋ねた。私は、ひまわりを描いた画家だと言った。
ヴィンセント? ヴィンセント? ヴィンセント!
1888年8月のヴィンセントがテオに送った手紙で、ゴーギャンが来る前にアトリエを飾るために、 ひまわりを描いていると書き記している。
部屋を飾るために!
私も部屋を飾るために絵を描きたい。
自分の部屋のために!
絵のために絵を描くのではなく、私の人生のために!
ヴィンセント!ヴィンセント!ヴィンセント!
全てが絵になるとふっと思った。
それは同時に、全てが絵にならなくても良いということでもある。
彼のひまわりは、南の太陽へ向かっている。
それは、地球から宇宙へ向かうことでもある。
ようやく僕はゴッホと向き合える。
僕はヴィンセントを要請する。
僕の幻想を取り除いて、現実を直視するために。
ヴィンセント ヴィンセント ヴィンセント!
2021年 チョン・ダウン
ヴィンセント ヴィンセント ヴィンセント!」サンフラワーツアーズ支援(提供) (orひまわり観光)
vincent vincent vincent !
supported by sunflower tours
本展覧会では、展示の企画・構成を大学の同期生である髙橋義明とコラボレーションし、イメージと空間の更なる拡張を試みています。
会場のインスタレーション、自身の版画の二次創作(リメイク)作品に加え、スピンオフのプロジェクトとして本展示の自主的な巡回展を企画していくサンフラワーツアーズを共同で立ち上げました。(※巡回場所随時募集中です)
ゴッホという作家を通して、版画が内包する複製というテーマを、二次創作や巡回展にまで展開していき、現代におけるイメージの行方を追ってゆきます。
作者の死後、展覧会は企画され続け、広告やグッズ、手紙をまとめた本や数々の物語を通してイメージは変化し続けいます。それらは活用され、時代に適応し、多くの人々の生活を支えてきました。ゴッホによって出力されたイメージは多くの作家や鑑賞者に影響を与え、ゴッホの死後から現在に至るまで出力-入力を繰り返し続けています。こういった状況はゴッホに延命処置や不死の手術をしているかのようです。
しかし、版画を通してゴッホの二次創作は反転される事で再現の性格から少しずれてしまいます。
それをさらに二次創作する事でイメージはより漂流することになるのでしょう。
私達はゴッホに永遠の命を吹き込むのに一助しているのでしょか、それとも新たなゴッホの誕生に試みるのでしょうか。
チョン ダウン
髙橋義明
[略年譜]
1989 韓国ソウル生まれ
2015 武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画専攻卒業
2017 ベルリン芸術大学協定留学(~’18)
2018 武蔵野美術大学大学院版画専攻修士課程修了
現在、武蔵野美術大学大学博士課程在籍
[個展]
2017 ギャラリーなつか(東京)
2018 ギャラリーなつか(東京)
2019 GALLERY MoMo Projects(東京)
2020 ギャラリーなつか(東京)
ギャラリー・マルヒ(東京)
2021 Gallery WOONG(ソウル)
ギャラリーなつか(東京)
[グループ展]
2016 「告白編」 シロタ画廊(東京)
「第10回大野城まどかぴあ版画ビエンナーレ」大野城まどかぴあ 1階 多目的ホール(福岡)
「Corner Stone Studio, Tokyo `定礎式 Corner Stone Laying Ceremony`」 CORNERSTONE studio(東京)
「第41回全国大学版画展」町田市立国際版画美術館(東京)
「シェル美術賞展2016」国立新美術館(東京)
2017 「View’s view-Next-」Cross View Arts/ギャラリーなつか(東京)
「FACE展2017 損保ジャパン日本興亜美術賞展」東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(東京)
「Crossing Factors」East Factory Art Gallery(東京)
「落石計画第10期クロニクル-痕跡と展開-」旧落石無線送信局(北海道)
「On Paper-Monochrome & Colors-」Gallery MoMo Projects(東京)
2018 「Translation of 3 Visions of Printmaking」Silpakorn University(タイ)
「ART ASIA 2018」 KINTEX(高陽/韓国)
2019 「平成31年度武蔵野美術大学修了制作展」国立新美術館(東京)
「月冴ゆ-Light Crossing Border-」網走市立美術館(北海道)
「形像の庭展」うしお画廊(東京)
「@Human」Gallery美の舎(東京)
「View’s view」Cross View Arts/ギャラリーなつか(東京)
「The galley Show」GALLERY MoMo Ryogoku(東京)
「Body of Events」Gallery 175(韓国)
2020 「形象の庭 展 Ⅱ」うしお画廊(東京)
「W299 PROJECT」Gallery WOONG(韓国)
「TAMA VIVANT II 2020 幕間以前・以後ー信号・シグナル・標識・サイン」多摩美術大学(東京)
「シェル美術賞展 アーティストセレクション2020(SAS)」国立新美術館(東京)
2021 「Indirect」GALLERY MoMo Ryogoku(東京)
「形象の庭 展 Ⅲ」うしお画廊(東京)
[受 賞]
2016 「第10回大野城まどかぴあ版画 ビエンナーレ」 池田満寿夫 大賞