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藤森 詔子|舵を取れ!

2021年1月16日(土)- 2月13日(土)

※オープニングレセプションは開催致しません。

営業時間 :火曜日 – 土曜日  12pm – 7pm   日曜・月曜・祝日休み

【新型コロナウイルス感染予防ご協力のお願い】

発熱や咳、息苦しさなどの症状があるお客様はご遠慮いだだきますようお願いいたします。

マスクの着用と、入店時に店頭にて手指のアルコール消毒をお願い致します。

混雑が発生した場合は、入場制限をすることがございます。

ギャラリーでは定期的な換気、清掃を行い、スタッフの健康管理、うがい手洗い消毒、マスクの着用の徹底をいたします。

 GALLERY MoMo Projects では1月16日( 土) から 2月13日( 土) まで藤森詔子による個展「舵を取れ!」を開催致します。

 藤森詔子は 1986年北海道生まれ、2013年東京芸術大学修士課程を修了し、群馬青年ビエナーレ(2010年) やFACE2014損保ジャパン美術賞などに入選し、国内で個展を重ねて来ました。

 初期作品では、内臓や血管が透けて見えてしまうかと思えるほどの、皮膚というより薄い皮膜で覆われた性別が判然としない人物を描き、そうした肌で感じられる感覚にシリアスにリアリティを持ち、モチーフとして来ました。

 近作では、皮膚を覆い隠すファッションを第二の肌と捉え、身に着けた女性は人間というよりマネキンに近く無機質に描かれてい ます。散りばめられたモチーフには、鏡やショウウインドウのガラスなどのファッションと関係のある日常的な風景を描き、コミュニケーションとしてのファッションやSNSなどを肯定的に表現しました。

 しかし、そうしたコミュニケーションの在り方や、人との距離感をテーマに描こうとしてきた藤森にとってコロナ禍では断絶を余儀なくされ、“人に近寄れない病気”であるコロナ感染症の状況は、制作内容に影響せざるを得なかったと語り、自粛中を自身の絵画に対するあり方を再考する機会と捉え、思考を深める時間として来ました。

 そして、自分と向き合う時間が多かったからこそ絵画を目指した原点を改めて見つめ直すことができ、その契機となった、希望を捨てず困難に立ち向かう強い姿を描いた名画や、これまでテーマにしてきたコミュニケーションを示唆する名画をモチーフに選び、 藤森らしい丁寧に何層も重ねられた絵の具で新たな表現を獲得し、名画に励まされた作品を生み出しました。

 感染者が再び増え、予断を許さない状況での開催ですので、ご来場に当たっては事前にウェブサイトやSNSをご確認いただきながら、新たな藤森の展開をご高覧いただければさいわいです。

 これまで経験したことない流行り病で、外出自粛を余儀なくされた2020年の春は、コミュニケーションの在り方を振り返らざるを得なかった。

 家に籠もり今何を描きたいか?と考えた時、改めて人と触れ合い共に生きること、それらをキャンバスに残し誰かに伝えたいと願うことなど、自然と絵を描く根本的な動機にたどり着いた。

 同時に、17歳で初めてルーブル美術館に行ったことを思い出す。将来画家になりたいのなら早いうちに経験をと、父が連れて行ってくれた二人旅行だった。その時に見たテオドール・ジェリコーの大作、「メデューズ号の筏」は衝撃的で特に強く印象に残っている。 当時ルーブルで買った図録を引っ張り出しページをめくると、高校生の私が付けた絵具汚れと懐かしい図版が載っており、いくつかのページには深い折り目がついていた。制作の参考に、開いてイーゼルの足元に置いていたと思う。絵画を志す原点はここにあったと思った。過去の自分に大きな力をもらったような気がした。

 「メデューズ号の筏」にインスパイアを受けた「舵を取れ!」は、2020年の春でなければ描くことはなかった。

 先のわからない不安の海を進む沈みかけの小舟。決して希望を捨てず大きな旗を振り、全力で歌い、仲間を助けながら最後まで諦めない。

 私の絵の中に出てくる登場人物は、この世界の誰でもある。

 家族や恋人や友人や同僚など、社会で共に時間を営む人々と、時に楽しくじゃれったり、読み合いの駆け引きをしたり。決して一 定ではない危うさ、切実さ、そういったアンバランスな心模様全てが、健全な人間らしさなのだと思う。

2020 年 藤森詔子

 

 

1986    北海道生まれ
2011    東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業
2013    東京芸術大学修士課程 美術研究科絵画専攻油画研究分野 修了
   
[ 個 展 ]    
2009    Gallery 銀座フォレスト (東京)
2010    Gallery 銀座フォレスト(東京)
2011    Gallery Jin Projects(東京)
2012    Gallery Jin Esprit+(東京)
2015    GALLERY MoMo Ryogoku (東京)
2017    GALLERY MoMo Ryogoku (東京)
2019    GALLERY MoMo Ryogoku (東京)
   
[ 主なグループ展 ]    
2006    「トーキョーワンダーウォール公募 2006」 東京都現代美術館(東京)
2008    「三冬月展」 アートフロンティア(東京)
2009    「東京版画 Exhibition x Auction from」 東京芸術大学 GYRE3階 EYE OF GYRE(東京)
2010    「群馬青年ビエンナーレ2010」 群馬県立近代美術館(東京)
           「東京アートミーティング トランスフォーメーション 東京藝大トランスWEEK」 東京芸術大学(東京)
           「Entrance Fee - drawings by emerging artists」 Are Market Wohle(東京)
           「via art2010」 銀座シンワアートミュージアム(東京)
2011    「GTS 芸大・台東・墨田観光アート・プロジェクト2011 隅田川新名所物語2011」 隅田公園リバーサイドギャラリー(東京)
2012    「地獄の品格(ゲルセミウム・エレガンス)」 東京芸術大学 大学会館(東京)
2014    「文間和紙に描く20人の掛軸展ー和紙に向き合う・和紙を知るー 越後門出和紙」高志の生紙工房ギャラリー(新潟)
           「損保ジャパン美術賞 FACE 2014」損保ジャパン東郷青児美術館(東京)
2015    「はじまりは久米桂一郎から メディカルアート&イラストレーションの歴史と現在」  東京芸術大学(東京)
   
[ 受賞歴 ]    
2009    「via art 2009」 立島惠賞 受賞
2010    「via art 2010」 ワダファインアーツ 和田友美恵賞 受賞
2011    「O氏記念賞」 受賞
    
[ コレクション ]   
ピゴッチコレクション    

展示風景
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